5つの型の一覧
社史の型とは、社史の構成の決め方です。KATARUでは、社史を「通史型」「年次型」「写真年表型」「声型」「名鑑型」の5つに分けています。通史型と年次型は、出来事を年代順に並べる型で、違いは区切りの粗さです。声型と名鑑型は、年代順ではなく、人や組織を単位にまとめる型です。
| 型 | ひとことで | 向いている場面 | ページ数の目安 | 合うデザイン |
|---|---|---|---|---|
| 通史型 | 時代ごとの章で、文章として読ませる | 事業承継、転機の物語がある会社 | 16〜100ページ以上 | 正統型、縦組型 |
| 年次型 | 1年ごとに、同じ書式で積み重ねる | 記録が残っている会社、毎年更新したい会社 | 32〜72ページ | 記録型 |
| 写真年表型 | 年表そのものを本にする | はじめての社史、記念の配布物 | 8〜16ページ | アルバム型 |
| 声型 | いま働く人の言葉でまとめる | 採用、社内の一体感づくり | 16〜32ページ | 雑誌型 |
| 名鑑型 | 人と組織を、同じ書式でもれなく記録する | 拠点、部署、グループ会社が多い会社 | 40〜72ページ | 記録型、アルバム型 |
型を決めると、載せる要素、合うデザイン、使う部品は、ほぼ自動的に決まります。使い道が決まったら、次に決めるのがこの型です。
それぞれの型の作り方
通史型
時代ごとの章で、会社の歩みを文章として読ませる型です。
- 作り方
- 歩みを3〜6の時代に区切り、1つの時代を1章にします。章、節、小見出しの3段で構成し、1つの話は半ページから1ページにまとめます。章の始まりには章扉を置きます。
- 向いている場面
- 事業承継、世代交代、意思決定の参考。「なぜ、こうなったのか」を伝えたいとき。
- ページ数の目安
- 16〜100ページ以上
- 台割の例
- 96ページの場合:挨拶・目次 8/歩みの物語 56(4つの時代×14)/人の声 8/これからの話 4/年表 8/資料 8/編集後記・奥付 4
年次型
1年(または数年)を同じ書式の1単位にして、積み重ねていく型です。
- 作り方
- 1単位を見開き2ページに固定し、年号、見出し、出来事の一覧、写真、本文、コラムの順に並べます。翌年以降も、2ページずつ足していけます。
- 向いている場面
- 記録が残っている会社、社史を毎年更新したい会社。「毎年、何があったのか」を伝えたいとき。
- ページ数の目安
- 32〜72ページ
- 台割の例
- 48ページの場合:挨拶・目次 4/年のページ 28(14年×2)/人の声 4/これからの話 2/年表 2/資料 6/編集後記・奥付 2
写真年表型
年表そのものを本にする型です。文章は挨拶だけにとどめます。
- 作り方
- 歩みを3〜5の時代に分け、1つの時代を見開き1つにまとめます。年の欄の横に、写真とひとことを添えます。
- 向いている場面
- はじめての社史、周年の記念に配る冊子、営業での会社紹介。「どんな歩みだったのか」をひと目で伝えたいとき。
- ページ数の目安
- 8〜16ページ
- 台割の例
- 12ページの場合:表紙 1/挨拶 2/写真年表 8/奥付 1
声型
いま働く人の言葉でまとめる型です。歴史は年表に集約します。
- 作り方
- 本文のおよそ半分を、人の声にあてます。経営者への質問集、座談会、社員一人ひとりのひとことで構成します。
- 向いている場面
- 採用、社内の一体感づくり。「どんな人が働いているのか」を伝えたいとき。
- ページ数の目安
- 16〜32ページ
- 台割の例
- 20ページの場合:表紙 1/挨拶 2/経営者の話 4/座談会 4/一人ひとりの声 2/これからの話 2/年表 4/奥付 1
名鑑型
人と組織を、同じ書式でもれなく記録する型です。
- 作り方
- 1件を半ページか1ページの同じ枠に収め、全員に同じ3つの問いを投げかけます。歴代の役員は、顔写真と在任期間を横一列に並べます。
- 向いている場面
- 拠点、部署、グループ会社が多い会社。「誰が、どこで、何をしているのか」を伝えたいとき。
- ページ数の目安
- 40〜72ページ
- 台割の例
- 64ページの場合:挨拶・目次 4/歩みの物語 4/歴代と組織 12/部署・拠点の紹介 20/人の紹介 10/これからの話 2/写真 6/年表 4/編集後記・奥付 2
どの型にも足せる章
特集(1本6ページが目安)、これからの話(2〜8ページが目安)、資料編(本文の1〜2割が目安)は、どの型にも差し込めます。
使い道から型を選ぶ
型は、見た目の好みではなく、社史を何に使うかで決めます。使い道が決まると読む人が決まり、読む人が決まると、その人が知りたいことが決まります。
| 使い道 | 主に読む人 | 読む人が知りたいこと | おすすめの型 |
|---|---|---|---|
| 採用 | 入社を考えている人 | どんな人が、どんな思いで働いているのか | 声型 |
| 教育 | 入社して間もない社員 | なぜ、この事業をしているのか | 通史型(小さめ) |
| 営業・マーケティング | お客様、取引先 | 信頼できる会社か。何を大事にしてきたか | 写真年表型 |
| 意思決定 | 経営者、幹部 | あのとき、なぜそう決めたのか | 通史型 |
| 事業承継・世代交代 | 次の世代 | 何を受け継ぎ、何を変えてよいのか | 通史型 |
| 周年の記念 | 社員、OB、取引先 | これまでの歩みを振り返りたい | 16ページまでは写真年表型。それ以上は年次型か通史型 |
| 拠点や部署をつなぐ | 全社員 | ほかの拠点や部署は何をしているのか | 名鑑型 |
| 社内のAI活用 | AIと、それを使う社員 | 事実と、その理由 | 年次型か通史型 |
社内のAI活用が目的の場合、書式のそろった年次型はAIが事実を正確に拾いやすく、通史型は判断の理由まで渡せるという違いがあります。
取材の前に決めること
決める時期の分かれ目は、誰に何を聞くかに関わるかどうかです。
取材の前に決めること
- 使い道と読む人(変わると、聞く内容がすべて変わります)
- 構成の型(型によって取材の相手と問いが異なり、後で変えると取材のやり直しになります)
- 人物の写真を撮るかどうか(声型は撮り下ろしが前提です)
原稿ができてからでも変えられること
- デザインの型(同じ原稿を、別の見た目に組み直せます)
- 取材を必要としない要素(目次、年表、資料、編集後記)
- 細かな台割とページ数の調整
深く聞いた取材は、後から軽い型に作り替えられます。その逆には、追加の取材が必要です。通史型のつもりで聞いておけば、記録や写真がそろっている場合は、写真年表型や年次型にも組み直せます。
迷ったときの決め方
- 使い道が2つ以上あるとき:いちばん読んでほしい人を1人決め、その人に合う型を主役にします。残りの使い道は、差し込みの章で補います。
- 語れる人が1人だけのとき:声型と名鑑型は作れません。通史型を小さく作るか、写真年表型にします。
- 記録も写真もほとんどないとき:年次型と写真年表型は作れません。語りから作れる通史型か声型にします。
- それでも決まらないとき:通史型をおすすめします。取材で聞いた語りを物語にすることが、KATARUの社史の中心だからです。
どの型にも入れる3つの要素
KATARUの社史は、人が読む本であると同時に、社内のAIが参照する資料にもなります。そのため、どの型を選んでも、次の3つの要素を入れます。
- 語り手の表示
- その章が、誰の語りをもとにしているかを載せます。
- 章末の事実メモ
- 年、人、出来事を、省略のない短い文でまとめます。写真年表型では、時代ごとの見開きの末尾に置きます。
- 本と対になるデータ
- 章ごとの文章と、年表、人物、用語集などの台帳を、AIが読める形で納めます。
事実メモとデータは、1つの文だけで意味が通るように書きます。
本文の文その年、社長は撤退を決めた。
省略しない文(事実メモとデータ)2014年、社長の山田太郎は、通信販売の事業から撤退すると決めた。(人名と事業名は例です)
用語の意味は、社史づくりの用語集にまとめています。
よくある質問
- 社史の型は、いつ決めればよいですか
- 取材の前に決めます。型によって、取材する相手と聞く内容が変わるためです。デザインやページ数は、原稿ができてからでも調整できます。
- 記録や写真がほとんど残っていなくても、社史は作れますか
- 作れます。年次型と写真年表型は記録や写真が必要ですが、通史型と声型は、取材での語りをもとに作れます。
- はじめての社史には、どの型が向いていますか
- 周年の記念や会社紹介が目的であれば、8〜16ページの写真年表型から始められます。事業承継や社員教育が目的であれば、小さめの通史型をおすすめします。
- 型を途中で変えることはできますか
- 深く聞いた取材をもとに、軽い型へ組み直すことはできます。たとえば、通史型のつもりで取材した内容は、記録や写真がそろっていれば、写真年表型や年次型にも作り替えられます。軽い型から重い型へ変える場合は、追加の取材が必要です。
公開日:2026年10月13日 KATARU(運営 ミダスマーケティング)